hydrogen energy 水素エネルギー事業

テクノウェル発!
水素ステーションメインユニット製作

当社の企業理念である「おもいやりにあふれた、ひと・ものを創る」と、長年の間に培った「高度な配管の技術」を融合し誕生したのは、“環境に優しい水素の有効活用”に貢献できる「水素ステーション」です。

超高圧水素に対応した水素ステーションの心臓部であるメインユニットの製作は、当社では初の試みであると同時に大きなチャレンジでしたがみごとに成功し1号機は名古屋市に納品、今後も増産体制を整えさらなる事業展開をめざしています。

この挑戦は、当社の技術力を次のステップへと到達させるとともに、さらなる飛躍へとつ繋がるものであると確信しています。

また、省エネや環境負荷軽減の切り札とも言える水素燃料をハンドリングするユニットを世に送り出すことができたという実績は、当社の企業理念にまさしく合致するプロジェクトであったと言えるとともに当社の誇りとなっています。

FEATURE水素ステーションの特徴

水素ステーションの主なユニット構成

  • 水素供給方法

    FCVに充填する水素をさまざまな方法で供給します。

  • コンプレッサー

    水素を効率よく貯蔵・充填するため圧縮します。

  • 水素畜圧タンク

    水素を蓄え保存します。

  • バルブユニット

    水素の流れを制御します。

  • プレクーラー

    FCVへ水素充填する前に十分に水素ガスを冷却します。

  • ディスペンサー

    FCVへ水素燃料を注入します。

テクノウェルではこのうちコンプレッサー、水素畜圧タンクと組みたてたバルブユニットをスキッドと呼ばれるパッケージに収納した水素ステーションのメインユニットを製作しました。

水素は通常気体として存在しているため限られた空間へ効率よく貯蔵するためには、気体である水素を高圧力で圧縮する必要があります。

テクノウェルでは特殊な試験設備を使用して約120MPaという非常に高圧な耐圧試験をみごとにクリアし、より多くの水素を貯蔵することが可能でコンパクトなパッケージユニットの製作に成功し、お客様のご要望にお応えすることができました。

[耐圧試験]118.75MPaで試験を行ったときのようす。

水素ステーションメインユニット出荷のようす

Copyright Air Liquide.
このページの写真の著作権はすべてAir Liquide社にあります。

Main skid of the Air Liquide Modular Hydrogen Refueling Station - Gas series for cars (ref.: GM-S-70).
This station is a patent protected and proprietary equipment of Air Liquide. It was installed at Nagoya city in 2020, Aichi prefecture.
For any inquiries on the Air Liquide hydrogen refueling stations please contact takashi.kikuchi@airliquide.com.

エア・リキード 燃料電池車用水素ステーション メインスキッド - 燃料電池車用ガスシリーズ(機器シリーズ:GM-S-70)
本ステーションは特許取得済みのエア・リキードが所有する機器から構成されています。2020年に愛知県名古屋市に設立されました。
本ステーションに関するお問い合わせは、takashi.kikuchi@airliquide.com までご連絡ください。

水素・燃料電池・FCVについて

水素ステーションメインユニットを製作し、燃料電池やFCVといった技術に触れることができました。製作を通して得た知識を少しだけご紹介します。

水素とは

現在発見されているなかでもっとも軽い元素であり、宇宙空間にもっとも豊富に存在していると言われています。
地球上ではおもに海水や河川・湖などの淡水の状態で存在し大気中にはほとんど存在しません。
また水素そのものは人体に無害であり、吸い込んだり飲み込んだりしても全く問題ありません。

水素は危険か?

水素は怖いというイメージをもたれているかもしれません。たしかに水素は酸素と混合し着火すれば非常に激しい爆発を起こします。しかし水素は地球上でもっとも軽い物質であり、またその拡散スピードも非常に速いという特徴があります。火元がなければあっという間に大気中に飛散してしまい危険性はなくなります。
このため天井部などに換気システムを設け、水素ガス検知器など設置していればプロパンなどのガスに比べて危険度はかなり低くなります。
後述しますが、水素を使った燃料電池も燃焼させるのではなく化学反応でエネルギーを得るため、まったく火を使わず安全です。

水素の作り方

現在主流となっているのが、天然ガスや石油(ガソリン、灯油、ナフサ)といった化石燃料から水素を取り出す方法です。
短時間に、大量に、低コストで製造でき、エネルギー効率も良いのがメリットですが、枯渇していく化石燃料を使い、製造過程では二酸化炭素も排出します。
そこで注目されるのが水と電気から水素を作る方法です。水を電気分解すると水素と酸素が発生します。(H2O+電気エネルギー⇒ H2 + O2)
身近には水素水も整水器などで自宅で電気分解して飲むことも出来ます。
太陽光発電などのクリーンエネルギーで発電した電気を使い水素を作り出し、エネルギーに変換して車や電車、船、飛行機などの移動手段に使えれば、地球環境の大きな改善につながります。(クリーンで無限のエネルギーにつながる)
その他には、化学工場などで化学製品を作る過程で副産物として水素が発生するのでそれを利用する方法があります。(山口県は日本有数の水素生産量を誇っています。)

FCV(燃料電池車)のしくみ

水素ステーションで補充する車やトラックなどは、燃料電池自動車(Fuel Cell Vehicle=FCV)と呼ばれる燃料電池を利用した自動車です。
これらは車体内に燃料電池を搭載し、ガソリンタンクの代わりに水素ガスを充てんする水素タンクを持っています。
燃料電池で発生した電気エネルギーでモーターを回して動力を得ています。
化学反応を利用するので車から排出されるのは水だけで、大気汚染の原因となる二酸化炭素、窒素化合物などいわゆる排気ガスは一切出さない究極のエコカーです。
しかもガソリン自動車にくらべ、騒音や振動もなく2倍以上のエネルギー効率をもつため、次世代の自動車として注目を集めています。

水素燃料電池とは

みなさんも中学・高校の化学の授業で習った覚えがある方もいらっしゃるかと思いますが、水素は酸素と化学反応を起こし水を発生させます。この化学反応式に発生する電気および熱(H2+O2 ⇒ H2O +電気エネルギー+熱エネルギー)を利用するのが水素燃料電池です。
身近にある「家庭用燃料電池」と呼ばれる家庭用設備は、プロパンガスや都市ガスを原料とする水素を利用して、電気と同時に発生する熱を給湯に利用する設備で燃料電池と同じメカニズムを活用しています。
普通の電池は外部からの電力を蓄える容器のようなものですが、燃料電池は外部から供給した燃料(水素)を化学反応によって電力を発生させる装置です。電力を蓄える機能はありません。
燃料電池の中で起こっているのは燃焼ではなく、化学反応なので危険ではありません。複雑で高度な技術も必要になりますが、技術の進歩で自動車に搭載可能な性能や大きさになるなど実用化の段階にきています。
ちなみに燃料電池は人類が月面に着陸したあの「アポロ計画」でも採用され、そのプロジェクトを支えてきた技術です。

水素ステーションの種類

都市ガスなどを引き入れその場所で水素を作り出し水素を供給する方式(オンサイト型)と、 他の場所で作った水素ガスを液体水素タンクローリーやチューブトレーラーなどで運び水素を供給する方式(オフサイト型)があります。

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